全15項目を一気に解説!住宅ローン審査が通りにくい・減額されるパターン #暮らしさがし4
今回は、ご自宅ご購入の際に避けて通ることの出来ない、住宅ローン審査について解説いたします。
ご自宅のご購入は、金額も大きいですし、そう何度も経験することではありませんよね。
初めてのことには不安がつきものですが、こちらの記事をご参考にしていただいて、以下の中に「当てはまるな」という項目がある場合は、ぜひ住宅ローン審査前に、個別に相談していただくと良いと思います。
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※当記事の最後に、動画による解説も掲載しております。今すぐ動画をご覧になりたい場合は、こちらからご覧いただけます。
1.世帯年収300万円以下
吉祥寺・杉並・中野・三鷹・世田谷辺りでお家をお探しの場合、物件価格が決して安いとは言えません。世帯年収が300万円以下ですと、審査の結果、金融機関から借りることができる金額と、希望エリアでの物件価格の差が大きく、物件を見つけることができない可能性が高いです。
2.返済比率オーバー
返済比率(返済負担率)とは、「年収に占める年間返済額の割合」のことです。具体的には、「返済比率(%)=年間返済額÷年収×100」で計算することができます。
多くの金融機関がこの返済比率の上限を設定しているため、ご年収に対して借りることができる金額というのが、おおよそ決まっています。銀行によって多少金額のばらつきはありますが、借り入れの上限が年収の約7~10倍くらいになることが多いです。
上記の世帯年収300万円の場合で考えてみると、「5000万円借りたい。節約すればなんとか返済できる」とお考えの場合でも、銀行の決めている返済比率によって融資金額が希望額の5,000万円を下回る、ということになります。
3.雇用形態が非正社員
雇用形態が、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員など、非正規雇用の方が主債務者として住宅ローンを組むことは難しい場合があります。勤続年数が長くても、雇用形態の面でNGになってしまうこともあるんです。。。
4.自営業・個人事業主
自営業・個人事業主の方の場合、一概に住宅ローンの審査が通らないということではありません。自営業・個人事業主の方で、課税所得金額を低く抑えていらっしゃる方は要注意です。売上が沢山あるが、経費も沢山使っている、という状況ですと、課税所得金額が低くなります。ですが、その課税所得金額が住宅ローンの審査年収になるので、注意が必要です。
5.転職直後
勤続年数があまりに短い、いろいろな会社を転々としている、のような場合、「継続的に安定して収入を得られないのでは?」と考えられてしまい、住宅ローンが組みにくくなります。ただし、職種やこれまでの経歴も考慮されますので、思い当たる方はご相談ください。
6.頭金を全く使わない
物件金額全額を住宅ローンで賄う「フルローン」、さらに、諸費用まで借りる「諸費用ローン」というものがあります。もちろん、そのようなローンを借りることも可能です。ただし、資金背景なども審査の対象とされるため、審査が厳しくなる傾向があります。
7.年齢が45歳以上
多くの銀行で80歳完済で住宅ローンを貸してくれます。住宅ローンの借り入れの最長期間が35年ですので、逆算すると、45歳を過ぎたら毎年借りられる年数が短くなります。また45歳を過ぎると、退職年齢も着々と近づいてきますので、銀行の審査は厳しくなる傾向にあります。安定収入がなくなった60歳や65歳以降の返済をどうするのかを審査でチェックされます。
8.別の借り入れがある
上記の(2)で触れた「返済比率」に関わってきます。返済比率の計算式の年間の返済額には、住宅ローンだけではなく、その他の借り入れ、例えば車のローンなども含んだ金額で計算されます。
別のローンが返済比率を圧迫することになるので、住宅ローンの借入枠が減ってしまいます。これから借りる住宅ローン以外に借り入れがある場合は、注意が必要です。
9.クレジットカードの枚数が多い
特にキャッシング枠の付いているクレジッドカードを沢山持っている場合は要注意です。語弊があるかもしれませんが、審査の際に「散財しやすい人」という風に見られてしまい、影響が出ることがあります。
10.消費者金融やキャッシングの使用履歴がある
上記の(9)クレジットカードの件と同様、銀行の評価があまり良くありません。実際に使用したキャッシング付きのカードを解約することなどで対策することもできます。
11.延滞、滞納、返済不能、自己破産など
個人信用情報(クレジットカードの利用履歴、自動車や楽器のローン状況、スマートフォンの割賦代金の支払状況など)をチェックされます。その時に、時期・内容・程度にもよりますが、延滞・滞納・返済不能・自己破産などの履歴が残っていると、住宅ローン審査に大きく影響します。
一定の期間を開けて、その履歴が消えるのを待つことが必要なケースもあります。個人信用情報は、ご自身でも調べることができますので、身に覚えがある場合は確認されることをおすすめします。
12.虚偽申告
審査時の嘘はすぐにバレてしまいます。例えば、「他に借り入れはない」「延滞したことはない」というような嘘をつくと、嘘がバレるだけでなく、心証も悪くなってしまいます。審査の際は正直に申請すると同時に、不安なことがある場合は審査の前にご相談いただくと対策を取ることが可能になります。
13.健康状態
住宅ローンは団体信用生命保険の加入がセットになっているケースが多いです。ご病気の内容によってはこの団信の審査が通らず、結果として住宅ローン自体も借りられない、ということもあります。過去記事で、「団信」についてはまとめておりますので(動画もあります)、気になる方はそちらもご確認ください。
14.違反物件、再建築不可など、融資条件を満たしていない
住宅ローンを借りる人に何の問題もなくても、購入しようとしている物件が適法ではなかった場合、住宅ローンが借りられない、ということもあります。違反物件、再建築不可物件については、不動産屋が詳しいので、ご質問頂ければ、なんでもお答えいたします!
15.ペアローンで、一方の審査が通らない場合
お二人で住宅ローンを組むことをお考えの場合、一方が何かの事情で審査に通らなければ、もう一方も併せて否決されてしまいます。ペアローンの審査は、一心同体なのですね。
どんな影響があるのか
以上、15項目、ローンが組みにくくなるケースをご紹介しましたが、もし、住宅ローンの審査に影響が出れば、次のような結果が返ってきます。
1.否決
住宅ローンを借りることができません。信用情報での「延滞、自己破産」や、購入予定物件の「違反」などの場合は、否決になりやすいです。
2.減額
返済比率・借り入れが別にもある、年齢が45歳以上、などの場合に減額という結果になりやすいです。借り入れ希望として5,000万円で申請して審査をした結果、4,000万円までならOKですよ、という結果が返ってくるようなケースです。この場合は、もう一度、資金計画を見直す等、対策を取ることができます。
住宅ローンは、実際に組めるのか不安になることもあると思いますが、事前にご確認いただくことで対策できることも沢山あります。
今回の記事が少しでも気になった、当てはまりそうだ、という方は、早めに不動産屋さんなどにご相談されるのが良いと思います。
動画
こちらから、動画による解説をご覧いただけます。ほぼ全編に渡って字幕を付けていますので、音声OFFでもお楽しみいただけます。