見えない不安は「住宅性能評価書」で解決!取得のメリットと費用相場、デメリットを知ろう

一戸建ての購入を検討しているときに、販売図面でときどき見かける「住宅性能評価書」とは何かを知っていますか?
なんだかわかるようでわからない、調べてみてももしかしたらピンとこないかもしれません。
住宅性能評価書を一言で説明するなら、「家の品質を等級で示す通信簿」です。必須ではないけれど、あるとメリットも多いこの制度を詳しく解説!
「住宅性能評価書」について、この記事でわかるポイント
住宅性能評価書とは?住宅の性能を客観的に証明する公的な書類
住宅性能評価とは「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいて、国に認められた専門の検査機関が、地震に強いか断熱性能は十分かなどの住宅性能を10分野で評価する制度。
その評価された項目は「住宅性能評価書」として交付されます。
これは住宅の性能を客観的に証明する公的な書類となり、購入時の安心感を高め、万が一のトラブルのときには証拠としても役立ちます!
新築戸建住宅と中古戸建住宅では、住宅性能評価書自体に違いがある

住宅性能評価書といっても、新築戸建住宅と中古戸建住宅では評価書の種類が違います。
評価する検査項目自体に大きな違いはありませんが、新築は「設計時」と「建築後」の2種類の評価書があり、中古は「現状の劣化状況」を細かく調査する点が異なります。
| 新築戸建住宅 | 中古(既存)戸建住宅 | |
| 評価書の種類 |
|
|
| 検査項目 | 10分野(32項目) | 9分野(28項目+2項目) |
| 費用負担 | 主に建築主(施主)が負担 | 売主または買主が希望して申請し負担 |
住宅性能評価書を取得することのメリットとは?

住宅性能評価書は、法的に必須ではありません。しかし、取得することでさまざまなメリットがあります!
メリット1|購入時の安心感と資産性の向上
耐震性や断熱性などの性能が、統一された等級で明確に表示されるので、購入者は性能を客観的に理解し、購入時の重要な判断材料の一つにできます。
さらに、国が定めた第三者機関による品質証明は、将来の売却やリフォームのときに、住宅の資産価値を高めることにつながりますよ!
メリット2|税制上の制度の適用や割引などができる
「住宅ローン控除」や「住宅取得等資金の贈与の非課税措置」を適用するための証明書類として利用でき、耐震等級に応じて地震保険料が最大で50%割引になるなど、税制上の優遇を受けることができます。
▼耐震等級についてもっと詳しく!
card:耐震等級1・2・3の特徴や調べ方を知ろう!耐震等級3だと地震保険の割引があるって本当?
メリット3|性能の証明や紛争時にサポートしてもらえる
住宅の欠陥や契約に関するトラブルが発生した場合、評価を受けた住宅であれば、住宅性能評価に関わる内容以外でも、国土交通大臣が指定する「指定住宅紛争処理機関」に紛争処理を申請できます。
これにより裁判を経ずに、円滑かつ迅速な解決を図ることが可能です。
住宅性能評価書を作成するデメリットはある?
評価書はメリットがある反面、コスト増や検査の限界など、知っておくべきデメリットもあります。
デメリット1|取得費用の負担がある
評価機関への申請費用が必要になるので、その分、住宅取得の総費用(総コスト)が増加します。
また、注文住宅で高い等級を目指す場合は、申請費とは別に追加の工事費用がかかったり、設計の制約から間取りの自由度が失われたりすることがあります。
デメリット2|評価書は発行時のもの、その後の性能変化に注意
住宅性能評価書は、あくまで検査を行った時点の建物性能を評価するもの。このため、時間の経過や劣化に伴い、新築時の性能から変化している可能性があります。
また、評価は定められた項目に限定されるため、評価対象外の部位や項目で問題や懸念点が見つかる可能性もあります。
住宅性能評価書取得のための費用相場は、いくらぐらい?新築15~30万、中古20~40万円程度
住宅性能評価書取得には、費用がかかります。
新築は設計住宅性能評価書に約5~10万円、建設住宅性能評価書に約10~20万円で、2つを取得すると約15~30万円が費用相場。
一方、中古の「既存住宅性能評価書」は、現状検査のみが約10~20万円で、追加で個別性能評価を追加するのも同額程度。両方依頼するときの相場は約20~40万円です。
失敗しないために!相場よりも費用が高くなることもあるので、必ず相見積もりを取ろう
評価費用は、建物の規模、遠方物件の交通費、そして中古戸建では資料不足による調査費など、複数の要因で相場を超える場合があります。
また、評価機関ごとの料金設定の違いもありますので、必ず相見積もりを取り、費用を比較検討するようにしましょう。
住宅性能評価書に書かれている基本の「10分野」|耐震性・耐火性・断熱性や省エネ性など

住宅性能評価で定められている「10分野」は、住宅の品質を総合的に判断するための主要な評価項目。国土交通省が定める「住宅性能表示制度」を基に分類されています。
| 分野 | 評価項目 | |
| 1 | 構造の安定 | 地震や風に対して建物がどの程度安全・強固か |
| 2 | 火災時の安全 | 火災時に倒壊や延焼を防ぐ構造や安全性 |
| 3 | 劣化の軽減 | 長期間使用しても劣化しにくい設計・材料か |
| 4 | 維持管理・更新への配慮 | 給排水管などの点検・交換のしやすさ |
| 5 | 温熱環境・エネルギー消費量 | 断熱・省エネ性能などの快適さと省エネ性 |
| 6 | 空気環境 | 建材による室内空気汚染の少なさ |
| 7 | 光・視環境 | 採光や通風など、室内の明るさや快適性 |
| 8 | 音環境 | 隣室や外からの音をどれだけ遮るか |
| 9 | 高齢者等への配慮 | 段差解消・手すり設置などバリアフリー性 |
| 10 | 防犯性 | 玄関や窓などの侵入防止性能 |
住宅性能評価書について、よくある質問
住宅性能評価書は、絶対ないとダメ?
住宅性能評価書は法的に必須ではありませんが、税制上の優遇措置や万が一の紛争時のサポートなど、取得することで得られるメリットは多く、単なる購入時の安心感だけでなく、将来の資産価値の向上にもつながりやすいですよ。
なくしたかも…。再発行は必要?
住宅性能評価書は、売却時の資産価値を証明する重要な書類にもなるので、紛失した場合は再発行をおすすめします。
手続きは所有者や購入者でも可能ですが、内容は原本と同一で所定の費用がかかります。紛失に気づいたら、まずは発行した評価機関に問い合わせましょう。
登録性能評価機関によって信頼性や評価内容は変わる?
登録性能評価機関は全国に複数ありますが、どこに依頼しても国の統一基準に基づいた評価が行わるため、評価内容の信頼性は同等です。
そのため、依頼先を選ぶときには、「費用・対応スピード・検査実績」などのポイントを比較検討することをおすすめします。
「住宅性能評価書」は、見えない不安を解消する制度
住宅性能評価は、目に見えない部分が多い住宅の品質を、第三者機関が公的に評価する制度。家族の安心と快適な生活を守り、将来にわたる資産価値を裏付ける大切な家だからこそ、この制度を検討してみてはいかがでしょうか。
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「住宅性能評価書」について解説した不動産のプロ

- 殖産ベスト株式会社
- 高田 健一(たかだ けんいち)
- 前職は舞台の企画・脚本・演出など、一つの作品を多様な才能を持つ仲間たちと創り上げる仕事をしていました。実は、家探しも似ています。
銀行、司法書士、税理士、行政、建築会社、土地家屋調査士、ファイナンシャルプランナーなど、さまざまな専門家と協力し、チーム一丸となって家づくりを進めています。お客様が心から「幸せだなぁ」と感じられる最高の住まいを見つけられるよう、各分野のプロフェッショナルと連携し、全身全霊を込めてお手伝いさせていただきます! - 【保有資格】
宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー、1級ファイナンシャルプランニング技能士
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