後悔しないための狭小住宅の選び方|メリットや快適に暮らすための間取りやアイディアも
狭小住宅(きょうしょうじゅうたく)とは、狭い土地に建てられた住宅のこと。
「都心部は土地が高い…」という中でも、狭小住宅であれば、比較的リーズナブルに戸建住宅に住めるというメリットがあります。
不動産のプロが、狭小住宅のメリットや選ぶときのポイント、限られたスペースを最大限に生かす暮らし方のヒントを紹介!物件探しの選択肢を増やしてみてくださいね。
狭小住宅とは?どのくらいの広さのこと?
「狭小住宅」に明確な定義はありませんが、一般的には敷地面積が50平米(約15坪)以下の土地に建築された住宅を指すことが多いです。
これはあくまで目安で、都心部の土地代金が高いエリアでは、30平米程度の土地に建つ狭小住宅も珍しくありません。
逆に地方などは、50平米よりも広い土地でもその地域にしては狭いというニュアンスで、「狭小住宅」という名称が使われることも。
エリアによっても狭小住宅と呼ばれる面積のラインが異なるので、この記事では50平米以下を基準として解説していきますね!
狭小住宅の良さやメリット8つ
単純に「狭小住宅は狭い=デメリット」ということにはなりません。狭いことを逆手に取った、狭小住宅ならではのメリットがあります。
1. 購入費用を抑えられる
都心部や駅近など、利便性の高い場所は土地の価格も高くなりがちですが、狭い土地であれば広い土地よりも総額を抑えて購入できる可能性があります。
2. エリアの選択肢が増える
広い土地が少ないエリアでも、狭い土地であれば比較的見つけやすく、希望するエリアに一戸建てを購入できることも。
3. 利便性の高い立地に住める
駅近や都市部は狭小地が比較的多いので、利便性が良く人気の高いエリアに住める可能性が増えます。
4. 光熱費が抑えられ、家事負担も広い家よりは少ない
土地が小さい分、建物全体がコンパクトになるので、冷暖房の熱効率が良く、電気代やガス代といった日々の光熱費を抑えることができます。
また、日々の掃除や管理も広い家よりは少なくなるはずですね。
5. 修繕費用負担も安くなる
家の面積が小さい分、外壁塗装や屋根の修繕などのメンテナンス費用が安くなる傾向があります。
6. 税金・ランニングコストを抑えられる
土地が狭い分、土地取得時の登録免許税をはじめ、土地の面積に比例して課税される固定資産税や都市計画税などの税金を安く抑えられます。
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7. 機能的な家が多い
狭小住宅は、限られた土地及び建物の空間を最大限に活用するために、吹き抜け、スキップフロア、ルーフバルコニーや地下室など、さまざまな工夫をして建築されます。
そのため、ほかにはない個性的なデザインや機能性のある家が多いです。
8. リビングを中心とした家族間のコミュニケーションが増える家に
リビングを中心とした間取りが多い狭小住宅。家族が自然とリビングに集まり、顔を合わせる機会が増えます。
狭小住宅をうまく生かした間取りや工夫例
1. 玄関とリビングを一体化
玄関スペースをつくろうとすると、少なくても1.5帖程度のスペースを確保する必要がありますが、そのスペースを一体化させることでリビングを広く確保することができる間取り案です。
リビング中央、玄関や階段の吹き抜けなどを活用すると、より明るく開放的な空間に。
2. ロフトスペース
延べ床面積にカウントされないロフトは、居住空間を広くするのに役立ちます。延床面積が少なくても、縦の空間も生かした開放的な住まいにすることができますよ!
3. 敷地形状にあわせた個性的な外観や間取り
変形した敷地に建つ狭小住宅では、狭さを感じさせない、工夫された空間づくりが多くの事例で見られます。
例えば、建物の一部を斜めにしたり、ユニークな形状を取り入れたりすることで、個性的で魅力的な間取りに。
4. ルーフバルコニーを生かす
ルーフバルコニーも延床面積には含まれないので、有効に活用しましょう!
吹き抜け部分のバルコニー側に窓を付けると、屋外への広がりをより感じることができますよ。
5. 階段下にトイレや収納を配置
狭小住宅では、階段下は貴重なスペースです。このデッドスペースの奥行きを生かして、トイレにしたり、掃除用具や季節用品をしまえる収納にしたりと有効活用できます。
6. 天井や壁を有効活用
洗濯物を干すスペースが広く取れない場合、使わない時は取り外したり、天井に収納したりできるホスクリーンなどの便利なアイテムを設置するのもおすすめです!
壁面収納の活用も重要なポイント。壁に取り付ける棚やフックを利用することで、床面積を圧迫せずに収納スペースを増やすことができますよ。
狭小住宅を選ぶときの重要な確認ポイント4つ
1. 建てられる建物の大きさ
注文住宅の場合、検討している土地にどれだけの大きさの建物(延床面積)が建てられるか、必ず事前に確認しましょう。
土地や建物にはさまざまな建築制限がかかっているので、同じ大きさの土地でも建てられる建物の大きさが違うことがあります。
2. 建物にかかる費用
価格も条件も良い土地が見つかり、費用を抑えられたとしても決して安心はできません。建物にかかる費用が高額だと、総予算を超えてしまうケースがあるからです。
建てられる建物の大きさと合わせて、価格も確認してくださいね!
3. 日当たりや周辺環境
狭小住宅は周辺建物と密集していることが多いので、日当たりや室内の明るさをどこから取れるかのチェックは必須。
また、近隣の家や道路から室内が見えないかなど、周辺環境からプライバシーを確保できる家なのかも重要な確認ポイントです。
4. 生活導線が良い家か
料理・掃除・洗濯などの家事、朝晩の着替えなどの生活導線がスムーズかどうか、朝起きたときから寝るまでの家の中の動きをイメージしましょう。
狭小住宅で失敗しないために!信頼できる会社とやり取りをしよう
狭小住宅の建築や購入では、希望していた間取りではない、設備費が案外かかってしまった、建売住宅の場合は生活導線が悪く暮らしにくい、収納スペースが足りないなどの失敗も。
狭小住宅の建築経験が少ない建築会社や取引経験が少ない不動産会社などは、ノウハウが少ない可能性もあるので避けたほうが無難です。
狭小住宅に住んで後悔しないために、できるだけ信頼のおける建築会社や不動産会社と確認や検討をして、どんな間取りがいいのか、どういったリスクがあるのかなどをしっかり理解していきながら検討するようにしてくださいね。
土地や家の購入に悩んだら、すぐ相談!
「狭小住宅」について解説した不動産のプロは、この人

- 殖産ベスト株式会社
- 田草川 聡(たくさがわ さとし)
- 不動産購入・売却において必要な知識はもちろん、吉祥寺・三鷹・荻窪・中野などの城西地域の情報にも詳しいです!自ら注文建築をした経験を活かして、エリアや土地、建物、暮らしなど、どのようなプランがお客様の生活にマッチするのか、どのような建築会社がおすすめかなど、さまざまな角度から提案をさせていただきます。
- 【保有資格】
宅地建物取引士 - 物件探しはこちらから
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