周りの物件よりお得!?「借地権」とは? #暮らしさがし3
インターネットでおすまいを探している時に、「新築なのに他の物件に比べて安い物件を見つけた!」と思われたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
そんな物件の詳しい情報を見てみると、権利が「借地権」となっている場合があります。
今回は、そんな「借地権」について解説いたします。
※こちらの記事の内容は、動画でも詳しく解説しております。ぜひそちらもご覧くださいませ。
借地権とは
一般的に、「家を買う」「不動産を買う」時に、思い浮かべていらっしゃるのは土地の権利が「所有権」のものが多いと思います。
「所有権」はその名の通り「土地を所有する権利」のことで、その土地を自由に処分(売却、贈与、相続など)することができます。
それに対して、「借地権」というのは「家を建てられる権利」のことです。
上図の様に土地の権利が2つに分かれるイメージをしていただくと、わかりやすいかもしれません。
みどり色の部分が「借地権」で、その土地を借りて家を建てることができる権利、です。建てた建物はご自身の所有物ですが、土地は借地権を持っている、という状態です。
オレンジ色の部分が「底地権(そこちけん)」で、土地の所有者、つまり地主さんが持っている部分です。
借地権は土地を借りてそこに自分の家を建てている、ということになりますので、底地権を持っている地主さんに「地代」のお支払いが生じます。
そして、「借地権」は権利ですので、第三者に売却することも可能です。
借地権のメリット
・土地の固定資産税、都市計画税がかからない
・安価で購入できるケースが多い
・立地や建物のグレードが高い事が多い
土地にかかる税金は、土地の所有者である地主さんが支払うことになります。税金がかからないなんてちょっと得した気分ですよね。
また、周辺の相場に比べて安く販売されているのも、借地権の特徴です。例えば、新築の一戸建てのお家が、所有権のもので6,000万円くらいする地域があったと仮定します。同じ地域で借地権ですと、同様の新築のお家が5,000万円前後で販売される、ということもあり得ます。
また、所有権の物件に比べて借地権の物件の方が、立地や建物が良い場合も多いです。ご親戚やご友人をお家に呼んだときに、驚かれるかもしれませんね(笑)。
借地権のデメリット
借地権のデメリットも見てみましょう。
・地代の支払い
・更新料、名義変更料、建て替え等の際に承諾料などの費用の支払い
・将来売却する時に一定のハードルがある
借地権の場合は、土地を地主さんから借りていますので、一般的には毎月「地代(ちだい)」を地主さんにお支払いする必要があります。
また、土地に関する諸々の変更や更新を行う場合にはその都度、土地の所有者である地主さんへのお支払いが発生することが多いです。そして、この費用が、法律などで決まっているものではありませんので、地主さまごとに違います。
また借地権の期間が20年、30年と期間の長いものが多いので、将来の費用については暫定、という形になっていることも多いのが実情です。この辺りのことは、不動産仲介会社によく確認してもらうことをおすすめします。
そして、あまり馴染みのない「借地権」は購入したくないな、と感じる方も一定数いらっしゃいます。その意味で、将来売却する際、所有権に比べると売却が難しくなる傾向があります。
借地権の多い地域
一般的には借地権は馴染みが薄いものですが、実は、地域によっては昔からの地主さんがいらっしゃって、所有権の物件より借地権の物件が多い、もしくはほとんどが借地権の地域、ということもあります。
例えば、東京・城西エリアで有名な地主さんとしては、吉祥寺駅近くの月窓寺さん、三鷹駅南口の禅林寺さん、小田急線沿線の豪徳寺さんなどがいらっしゃいます。このような地域では借地権での購入も受け入れられやすい傾向があります。
最後に
「立地条件も建物グレードも広さも妥協できない!だけど予算は限られてる!」という方は借地権の物件もご検討に加えていただくと、ご予算内で良い物件に巡り会えるかもしれません。
ご検討されている物件の権利に「借地権」と書かれている時には、ぜひ、当記事をご参考にしていただければと思います。
また、ご不明な点やご心配なことなどありましたら、お気軽に弊社の担当者にご相談くださいませ。
動画
こちらから、動画による解説をご覧いただけます。