【前編】住宅購入前に確認したい「ハザードマップ」~どこで見れるの?どうやって見るの?~#暮らしさがし3
前回は城西エリアでご自宅を購入して、その後の資産価値はどうなのか、将来売却することはできるのか、ということを解説いたしました。
今回は、家選びの際にはチェックしておきたい「ハザードマップ」についてお話していきます。
※当記事の最後に、動画による解説も掲載しております。今すぐ動画をご覧になりたい場合は、こちらからご覧いただけます。
危険性を表示した地図=ハザードマップ
ハザードを直訳すると「危険」です。ハザードマップというのは、国土交通省、都道府県、市区町村などによって作成されている「危険性を表した地図」のことです。
そして、危険にも色々種類があります。例えば、液状化予測図、土砂災害、津波、火山、火災など・・・それぞれの災害に対応したハザードマップも存在します。
この城西エリア(吉祥寺・杉並・中野・三鷹・世田谷)は、液状化・火山・津波の心配はそもそもありません。一部、家が密集している地域では、地震の際の火災・建物倒壊について関係する場所もあると思いますが、一番影響を受けるのは、「水害ハザードマップ」です。
またご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、2020年7月に宅建業法改正がありました。そして2020年8月28日より、不動産の取引時には「水防法の規定による図面における宅地、または建物の所在について、重要事項として説明すること」が義務付けられました。この時の「水防法の規定による図面」がハザードマップです。
ハザードマップの見方
これは杉並区のハザードマップです。
雨が降った時に浸水する可能性がある地域に色がついています。そして、色によって浸水の深さが分かるようになっています。このマップでは黄色なら道路から0.1~0.5m、青なら3m~5mの浸水が予想されるエリア、ということを表しています。
そして、マップで表示されている浸水の深さは「規定量の雨が降った場合」の予想です。
以前の水害ハザードマップでは、東海豪雨(2000年)と同等規模の雨が降った場合の浸水の可能性を基に作成されていました。しかし、杉並区を流れている神田川水系については、国が定めている規定の雨量が2018年に改定され、想定雨量は東海豪雨から「想定最大規模降雨(※)」に変更されました。(河川によって変更の時期は前後します)
そして、これを受けて杉並区が2019年にハザードマップを改定、公表しています。
※想定最大規模降雨:想定しうる最大規模の降雨のことで、発生頻度として年超過確率1/1,000(約1,000年に1回)程度を想定しています。詳細は、次回「後編」の記事で詳しく解説します。
大型河川が近くになければ安全?
城西地域にお住まいの場合、大型河川は世田谷エリアの多摩川がありますが、それ以外の河川は中小規模(善福寺川、妙正寺川、江古田川、玉川上水・・・)です。ただ、小さい川でも、ハザードマップに溢れる可能性が表示されていることもありますので、一度は確認されることをおすすめします。
近所に川がないのに、ハザードマップを見ると色がついてることがあります。なぜでしょうか?
これは、大雨が降った時に下水で処理しきれない水が道路に溢れてくる、「内水氾濫」の可能性を表しているのです。マンホールの蓋が外れて水が吹き出す現象などが、この「内水氾濫」に当たります。
水は重力に従って高いところから低いところに流れます。局所的に集中豪雨が降った場合、そのエリアの高低差で低い場所には水が集まります。そこで下水が処理しきれなくなってしまうと、内水氾濫が起きてしまう、という仕組みです。川が近くにないからといって、「浸水のリスクがない」ということではないので、注意が必要です。
ハザードマップの入手先
このハザードマップ、ほとんどの行政のホームページからダウンロードすることが可能です。「地名(市、区) ハザードマップ」のように検索すると見つけることができます。
もしご検討中の物件があるようでしたら、ぜひチェックしてみてくださいね。
動画
こちらから動画による解説をご覧いただけます。