「旗竿地」のデメリットをメリットに!検討する前のチェックポイントや活用アイディアを伝授

コスパが良い反面、「暗い」「住みにくい」と思われがちな旗竿地。設計次第で日当たりも確保でき、唯一無二の住まいづくりが楽しめます。
メリット・デメリットを知り、賢く活用するポイントや旗竿地ならではの魅力をプロが深掘りします!
この記事でわかること!「旗竿地とは?」
「旗竿地(はたざおち)」とは、道路から細めの通路の先に敷地がある土地の形

「旗竿地(はたざおち)」とは、道路から細い通路のような敷地が伸びた先に広い本地がある形の土地のこと。
上から見ると、細めの通路が「旗の竿」、奥の土地が「旗」のように見えるため、この名前がついています。
道路に接道する部分が少ないので、車の出入りや日当たりに工夫が必要なこともありますが、土地の価格がやや抑えめで、周囲からの視線が気になりにくく、静かに暮らせるのが魅力です!
旗竿地が生まれる理由は、土地を有効的に使うため

旗竿地が生まれる理由は、土地を有効に使うため。
大きな土地を分けて売るとき、すべての区画を均等に道路に面するように分けると、土地の幅が細くなり過ぎてしまい住宅地として使うには難しくなることがあります。
そこで、道路に面した土地は間口を広く奥行きを控えめにし、その分でできた奥の土地を細い通路をつなげて「旗竿」の形にすることで、住宅が建てられるように工夫されています。
旗竿地のメリットを生かして、自分たちらしい家づくりを楽しむ
旗竿地は土地の価格が低い傾向にあるだけでなく、通路部分を駐車スペースとして有効活用できる、プライバシー性が高いなどのメリットがあります。
メリット1|旗竿地は土地のコスパが良い
旗竿地は、道路に接する間口(まぐち)が狭いため、一般的な整形地よりも土地の価格が低い傾向があります。
その分、同じエリアでも広い土地を購入できたり、浮いた費用を建築費に充てられたりするのが嬉しいポイント。立地を重視しながらもコストを抑えたい人にとって、賢い選択肢になることもあるんです!
メリット2|子どもの飛び出しリスクが少ない!静かで落ち着いた住環境

道路から少し奥まった位置に家を建てるため、車の通行音や人の視線が気になりにくく、静かで落ち着いた住環境が得られます。
小さな子どもが玄関から道路に飛び出すリスクも少なく、子育て中の家庭にもぴったりですね♪
メリット3|設計の自由度が高い
旗竿地は形が特徴的だからこそ、設計の工夫ができる土地。建築家と相談しながら、自身の暮らしに合った家づくりを楽しむこともできます。
奥まった場所だからこそ、外部からの視線を気にせず庭を広く取ったり、光の入り方を考えた個性的な間取りにしたりと、世界にひとつだけの住まいをつくるチャンスが!
また、通路部分を駐車スペースとして活用できるので、奥の住居の建築スペースを最大限に利用しやすくなり、整形地と比べて広い間取りを実現できるケースもあります。
旗竿地のデメリットと改善策
土地の形状から「旗竿地は住みにくいのでは?」という不安があるかもしれません。デメリットを知った上で適切な対策や工夫をすれば、それらはクリアになることが多いですよ!
デメリット1|日当たりや風通しの確保が難しい
旗竿地は、敷地の奥にある「旗」の周囲が建物に囲まれているため、日差しや風が室内に届きにくい傾向があります。
そのため、建物を設計するときに、
・窓の配置や大きさを重要視する
・天窓や吹き抜けを設けて、光を上部から取り込む
などの設計上のアイデアを少し取り入れるだけで、採光と通風を確保することができ、明るく快適な居心地の良い空間を実現できることがほとんどです。
▼旗竿地で吹き抜けのある素敵な家に暮らす人の声
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デメリット2|車の出し入れ(駐車)がしにくい
竿の部分にあたる通路が細く長い形状のため、通路の幅が狭かったり、カーブの角度がきつかったりすると、車の出し入れが少し大変なことも…。
購入前に通路の幅と長さ、曲がり角の角度などを実際に現地に出向いて確認しておくのがベストです。
デメリット3|建築やメンテナンスの費用が高くなる可能性も
通路の幅や形状によっては、工事車両の進入や建築資材の搬入が難しくなることもあり、建築費用が通常よりも割高になることがあります。
また、奥まった立地であるため、将来的な外壁の修繕やリフォームを行うときにも、同様の理由でメンテナンス費用が高くつく可能性が…。
初期費用だけでなく、将来の修繕も見据えて少し余裕を持った資金計画を立てておくと安心ですよ!
設計次第で驚くほど明るく開放的な家に!不動産仲介業者が知る「旗竿地」のリアルエピソード

「旗竿地=暗い」というイメージを覆したのが、設計にこだわったAさんのケース。
南側に隣家がある旗竿地でしたが、中庭と吹き抜けを上手に取り入れた設計で、家の中は驚くほど明るく開放的に♪
「旗竿地でもこんなに光が入るの?!」と、自宅に招いた友人からほめられることも多いそうです。

また、通路部分の外構も工夫し、玄関アプローチをまるで秘密の小道のように演出しました。
旗竿地の形を“デメリット”ではなく“個性”として楽しめば、唯一無二の家づくりができますよ!
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不動産のプロが伝授!旗竿地を検討する前のチェックポイント 4つ
ポイント1|接道の幅と長さをしっかり確認しよう
旗竿地で最も重要なのが、道路に接する「竿」の部分の幅と長さです。
土地を見学するときは、実際に竿部分を歩いてみて、使い勝手を確かめましょう。そのときに最低限確認すべきポイントは以下。
| チェックポイント | 詳細 | |
| 接道幅 | 建築基準法では、建物を建てるために2メートル以上の接道幅が必要と定められています。 これを満たしていないと、そもそも建築ができないケースも。 |
|
| 実用性 | 幅が2メートルぎりぎりの場合、車の出入りや通行に苦労することがあります。 | |
| 通路の長さ | 通路が長すぎると、工事車両の進入や引っ越し時の搬入・搬出に手間がかかる可能性が。 |
ポイント2|日当たりと風通しを現地でチェック!

旗竿地はどうしても周囲をほかの建物に囲まれやすいため、奥の敷地(旗の部分)は日当たりや風通しが悪くなりがちです。
図面や写真だけではわからない部分も多いので、現地で時間帯ごとの日当たりを必ず確認しましょう。
もし日当たりが少し劣る場合でも、間取りの工夫や中庭の設計でかなり改善されることも。設計士や建築会社に相談して、採光をうまく取り入れるアイデアを考えてもらいましょう。
| チェックポイント | |
| 南側に建っている建物の高さはどうか | |
| 午前・午後・夕方で、光の入り方がどう変わるか | |
| 敷地内で風の抜け道があるか |
ポイント3|車の出し入れと生活動線を具体的にイメージしよう
旗竿地で後悔しやすいポイントのひとつが、車の出し入れのしにくさです。通路が細かったり、カーブがきつかったりすると、毎日の駐車がストレスになることも。
可能であれば、実際に車で現地に通ってみたり、日常の動線をリアルに想像したりしながら以下の点をチェックしましょう。
| チェックポイント | |
| 夜間でも、通路や駐車スペースの境界線が車のライトや外灯でしっかり見えるか | |
| 駐車スペースに、スムーズに車や自転車が出し入れできるか | |
| 大型家具の運び入れや引っ越し作業がしやすいか | |
| ゴミ出しの場所は敷地内か | |
| インターフォンの位置をどこにすべきか | |
| お客さんがスムーズに玄関まで入って来れるか |
ポイント4|安さだけで決めず、将来の資産価値も意識!
旗竿地は、整形地(四角い形の土地)と比べて1〜2割ほど安いことが多いです。「お得!」と感じるかもしれませんが、その安さの理由をしっかり理解しておくことが大切です。
将来的に売却を考える場合、旗竿地は買い手が限られることがあります。立地や利便性で不利にならないか、資産価値の下がりにくい場所を選ぶことがポイント!
また、旗竿地は工事が難しくなる分、建築費や外構費が高くなるケースもあります。土地価格だけでなく、建物を含めた総費用を事前に見積もっておくと安心です。
旗竿地の「竿」の部分を最大限にいかす♪外構の上手な活用方法やアイディア
旗竿地の細長い竿の部分は、単なる通路ではなく、家の第一印象を決める大切なアプローチ空間。
毎日通る場所だからこそ、デザインや使い勝手に少しこだわるだけで、住まい全体がグッと魅力的になります。
植栽・素材・照明の3つを工夫することで、日中も夜も快適で美しいアプローチに。
限られたスペースだからこそ、ちょっとしたアイディアで“住まいの顔”を素敵に演出してみましょう!
1. 家のテイストに合わせたデザインにして統一感を

建物の雰囲気に合わせてアプローチのテーマを決めると、空間全体に統一感が生まれます。
- テーマの決定:好みのテイストを先に決めておくのがおすすめ。「ナチュラルガーデン風の小道」「和モダンの石畳」「ヨーロッパ風のレンガアプローチ」など。
- 素材の選定:テーマが決まると、植栽、舗装材、ポストのデザインも自然と選びやすくなり、家全体が一つの世界観でまとまります。
2. 用途に合わせて、素材を変える

通路をすべて同じ素材で仕上げるよりも、使う目的ごとに素材を変えると実用的でおしゃれ度がアップ♪
素材を変えることで、見た目にリズムが生まれるだけでなく、「ここは歩く道」という動線誘導の効果も生まれます。
- 駐車部分:コンクリートやアスファルト/頑丈でしっかりとした耐久性を確保
- 人が歩く部分:天然石、タイル、レンガ/温かみのある素材で見た目を豊かに
3. フットライトや植栽のライトアップで夜間を演出

夜間も安全で雰囲気のあるアプローチにするなら、照明計画を必ず取り入れましょう。帰宅時にふんわりと優しい灯りがつく演出は、毎日の小さな癒やしに。
- 空間の演出:足元にフットライト(足元灯)を埋め込んだり、植栽を下から照らしたりするだけで、夜の景観に奥行きと高級感がぐっとアップ!
- 実用性・防犯性:人感センサー付きのライトは必要な時だけ点灯するので、夜間の防犯に役立ちます。
旗竿地について5分でわかる動画をチェック!
旗竿地を動画でわかりやすく解説しています。ほかにも、不動産会社ならではの動画をたくさん公開中!
旗竿地を「個性」として楽しもう!
旗竿地は、高いプライバシー性とコストパフォーマンスが魅力の土地。もちろんデメリットもありますが、そのユニークな形状の土地を「個性」に変えて、世界に一つだけの、奥ゆかしくも開放的なマイホームづくりを楽しんでみませんか♪
土地や家の購入に悩んだら、すぐ相談!
card:土地や家の購入、諸費用や税金に悩んだら、迷わず相談!
「旗竿地」について解説した不動産のプロ

- 殖産ベスト株式会社
- 加治木 正文(かじき まさふみ)
- 不動産という一生に何度もない大きな買い物を前にして、ぞれぞれの好みも違えば要望も多種多様、さらに悩みや不安を抱えている方はたくさんいらっしゃいます。そんな皆さまの立場になって一緒に考え、悩み、地域に根ざした新鮮で豊富な不動産情報とプロの目線で、微力ながらもお力添えできれば最高です!
未来の皆さまの笑顔のために、不動産のすばらしさや必要性を伝えていきます。 - 【保有資格】
宅地建物取引士 - 物件探しはこちらから
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