床の保護に「フロアコーティング」って必要?種類・費用・メリットなど不動産のプロが解説
住まいの床は、日々の生活の中でダメージを受けやすい部分のひとつ。
食べこぼしや水濡れ、ペットの爪跡、家具の引きずり傷など、小さな負担の積み重ねが、床の劣化や美観の低下につながります。
マイホームの大切な床を守り、長期間きれいに保つ「フロアコーティング」について、効果やメリット・デメリット、種類や費用の目安まで不動産のプロが紹介します。
フロアコーティングとは?
フロアコーティングは、フローリングの表面に特殊な樹脂製の薄い膜を塗布する施工で、このコーティング層が、床材そのものを傷や汚れから強力に保護します。
ワックスがけと似ていますが、ワックスがけが短期間の保護を目的とするのに対し、フロアコーティングは一度施工すると数十年単位で効果が持続するのが大きな特徴。
フロアコーティングって必要?まずはメリット・デメリットを知ろう!
フローリングは、家の中でも特に傷や汚れのダメージを受けやすい部分ですが、「コーティング」と聞くと、「本当に必要?」「お金をかける価値があるの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし、ライフスタイルや家族構成によっては、フロアコーティングを一度施工するだけで、その後の暮らしが快適になる大きなメリットがあります。
メリット1|床の寿命を延ばす
フローリング表面の劣化を抑えるフロアコーティングは、床の張り替え時期を大幅に遅らせることができます。
これにより、長期的なメンテナンスコストを削減できるだけでなく、ツヤと清潔感のある床は、売却時にも「きれいに手入れされている家」という好印象を与え、不動産価値の向上につながる可能性があります。
メリット2|掃除が楽になる
リビングはもちろん、特にキッチンや洗面所な、ど水や油が飛び散りやすい場所へのフロアコ―ティングは汚れや水分を弾くため、普段の掃除は乾拭きや軽い水拭きで十分!防水性が高まるため、シミや膨れのリスクを軽減できる上、ワックス掛けのように定期的なメンテナンスも不要です。
メリット3|子どもやペットがいる場合、転倒やケガ防止にもなる
食べこぼしや飲みこぼしのシミ、家具の引きずり傷、ペットの爪によるひっかき傷など、フロアコーティングはそうした日常のダメージから床を守ります。
また、フローリングは意外と滑りやすく、子どもや高齢者の転倒によるケガ、ペットの関節にも過度な負担がかかる可能性が。滑り止め効果のあるタイプのフロアコーティングをすると、小さな子どもや高齢者、ペットにも安心ですよ!
フロアコーティングのデメリットは、初期費用がかかること
フロアコーティングの最大のデメリットは、やはり初期費用です。
ワックスに比べて施工単価が高めで、一般的に10万円から20万円程度の費用がかかるケースが多いです。
フロアコーティングの種類|耐久性、相場や費用など
フロアコーティングにはいくつかの種類があり、それぞれに耐久性・見た目・費用が異なります。代表的なものは「ウレタン」「シリコン」「ガラス」「UV」の4種類。
種類の特徴や相場一覧
特徴 | 耐久性 | 費用の相場 | |
ウレタン | 柔軟性があり傷に強い。比較的安価 | 5~10年 | 1,500~2,500円 /平方メートル |
シリコン | 防汚・防水性に優れ、光沢感あり | 10~15年 | 2,000~3,000円 /平方メートル |
ガラス | 硬度が高く自然な艶。マット仕上げも可 | 15~20年 | 2,500~4,000円 /平方メートル |
UV | 紫外線硬化で即日使用可能。高耐久 | 20年以上 | 3,000~5,000円 /平方メートル |
ウレタン
最も歴史のあるコーティング方法。柔軟性があるため傷に強く、費用も比較的安価。ただし耐久性はやや短めで、10年未満で再施工が必要になる場合があります。
シリコン
防汚・防水性に優れ、光沢仕上げで高級感があります。比較的長持ちしますが、やや滑りやすい点に注意。光沢好きな方におすすめです。
ガラス
硬度が高く傷に強い上、自然な艶でインテリアを選びません。耐久性も高く、コストパフォーマンスの良さで注目されています。
UV
紫外線硬化樹脂を使用し、専用機械で瞬時に硬化させる工法。耐久性も20年以上とトップクラス。ただし施工費用は最も高額です。
後悔しないために!フロアコーティングする前、した後の注意点
施工するなら新築時やリフォーム直後
フロアコーティングは、施工のタイミングも重要なポイントです。
ベストタイミングは、フローリングがまだ新しく傷や汚れがない状態で、家具や日用品が何もない引っ越し前に施工するのが理想的。
初期の美しさをそのまま長期間維持でき、後からリフォームするよりもコストパフォーマンスが良くなります。
もし引っ越し後になってしまった場合は、家具の移動や養生に手間がかかり、その分の追加費用が発生する場合も…。
業者や種類選びは慎重に!事前に仕上がりイメージの確認は必ずする
フロアコーティングの施工の品質は業者によって差があります。価格だけでなく、実績や保証の有無の確認は必ず行いましょう。
また、コーティング剤の種類によって光沢感の有無や滑りやすさなど、仕上がりイメージがだいぶ違うので、事前に実物で確認することが大切!
艶消しやマット仕上げなどの選択肢も増えていますよ。
メンテナンスは専用クリーナーがおすすめ
コーティング後も、適度な掃除や水拭きは必要です。強い洗剤や研磨剤の使用は避け、専用クリーナーを使うと長持ちしますよ。
床を守るフロアコーティングは価値ある施工
フロアコーティングは、床を守り、美観と快適さを長く維持できる優れた施工です。
初期費用はかかるものの、日常の掃除のしやすさや将来的なリフォーム費用削減を考えると、十分に価値のある投資といえるでしょう。
家族のライフスタイルに合わせて種類や施工範囲を選び、信頼できる業者に依頼することが、失敗しないための最大のポイントです!
土地や家のことで悩んだら、すぐ相談!
「フロアコーティング」について解説した不動産のプロ

- 殖産ベスト株式会社
- 平野 健児(ひらの けんじ)
- リフォーム事業、不動産仲介業、不動産買取再販業、Salesforce導入支援など、さまざまな分野でたくさんの経験を積んできました。その経験を生かし、不動産の購入・売却において注意すべきポイントもお伝えしながら、ベストな提案と笑顔で信頼できるパートナーになれるように尽力していきます!
- 【保有資格】
宅地建物取引士、2級建築士
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