防火地域・準防火地域とは?知らずに買うと危険!建築コストや制限の違いを徹底解説

不動産探しをしていると必ず目にする「防火地域」「準防火地域」「法22条区域」という言葉。「難しそうだから」とスルーするのは非常に危険です。
特に東京23区内で家を探すなら、この区分の理解は必須。なぜなら、この区分ひとつで「建てられる家の種類」と「建築コスト」がガラリと変わるからです。
今回は、後悔しない家選びのために、防火関連の重要ルールをプロの視点でわかりやすく解説します。
防火地域・準防火地域とは?「街の燃えにくさ」のルール

一言でいえば、防火地域・準防火地域とは「火事になった時に延焼(燃え広がり)を防ぎ、街を守るためのルール」です。
駅前や繁華街など、建物がギチギチに詰まっている場所ほどルールは厳しく(=防火地域)、住宅地へ行くほど少し緩く(=準防火地域)なります。
基準が厳しいエリアほど、燃えない頑丈な建物にする義務があるため、建築費は高くなる傾向にありますが、初期費用だけでなく「資産価値」や「ランニングコスト」も含めたトータルバランスでみるのが正解です。
防火地域は、最も厳しい「街の要塞」
駅前や幹線道路沿いなど、都市機能の中枢が指定される「絶対に火を広げない、街の要塞エリア」が防火地域です。
万が一の時、避難する時間を稼ぎ、周囲へ燃え移らせないことが絶対条件。木造住宅も建てられますが、非常に厳しい制限(耐火構造)が必要で、建築コストは大幅にアップします。
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| メリット |
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| デメリット |
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準防火地域は、バランスの取れた住宅地
防火地域の外側に広がる、「火災対策は必要だけど、少し柔軟な一般的な都心居住エリア」です。
「3階建て」にするか「2階建て」にするかが、コストを分ける大きな分かれ道。
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| メリット |
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| デメリット |
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法22条区域とは?自由度の高いゆとりエリア
防火・準防火地域から外れた郊外に多い「最低限の備えでいい、のどかな住宅地」です。
弊社が扱う武蔵野市・三鷹市の一部の地域で見られます。
| 特徴 |
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あわせて確認!建てられる家の高さや大きさを決める「用途地域」の制限
card:「用途地域」とは?13種類の特徴や建築制限を一覧でチェック!簡単な調べ方もわかる
東京23区特有のルール「新防火地域」に注意!
東京23区を検討中の方は要注意。「新防火地域」という独自のルールが存在します。
これは、従来の「防火地域」ほどガチガチではないけれど、準防火地域よりは厳しく、災害時の延焼を防ぐために「新しい基準」を設けたエリアのこと。 ポイントは「建物の大きさでルールが変わる」点です。
大きな建物には厳しい耐火性能を求めますが、小さな住宅なら防火性能を高めた木造でも建てられるなどの基準があるため、確認が必要です。
一覧表|エリア別・建物の大きさと構造の制限

「何階建てを建てるか」「広さはどのくらいか」によって、求められる性能が決まります。自身の希望プランがどの区分で実現が可能かをざっくり把握しておきましょう。
| 区分 | 建物の条件 | 必要な構造 | 建築のポイント |
| 防火地域 | 3階建て以上または延べ面積100平米超 | 耐火建築物 | 原則、木造NG(※)。RC(鉄筋コンクリート)造がメイン。コストは高いが、資産価値と防災性は最強。火災保険料が安くなるメリットも。 |
| 2階建て以下、かつ延べ面積100平米未満 | 準耐火建築物 | 基準を満たした「燃えにくい木造」なら建築可能。駅近の狭小地でこだわりの木造を建てるならこの枠。 | |
| 準防火地域 | 4階建て以上 | 耐火建築物 | 非常に厳しい基準になり、コストも跳ね上がる。 |
| 3階建て以上または100平米超 | 準耐火建築物 | 都市部の3階建て木造はこの枠。柱を太くする、不燃材で覆うなどの「準耐火仕様」が必要でコストもアップ。 | |
| 2階建て以下、かつ100平米以下 | 防火構造の建物 | 一般的な2階建て木造なら、外壁や軒裏を防火構造(モルタルなど)にする程度でOK。コストへの影響が最も少なく、自由な設計が楽しみやすい区分。 | |
| 法22条区域 | 指定なし | 一般構造 | 屋根や外壁を燃えにくい素材にする程度の最低限のルール。建築コストを抑えやすく、自由度も高い。 |
耐火建築物とは?鉄筋コンクリート造(RC造)が代表的
火災が起きても倒壊せず、自力で鎮火まで耐えられる建物のことで、代表的なのは鉄筋コンクリート造(RC造)。
窓には網入りガラスやシャッターが必須です。
コストはかかりますが、密閉性・遮音性にも優れているため、都市部での快適な暮らしと資産保全を同時に叶える選択肢です。
準耐火建築物とは?木造でも実現可能
火災時に一定時間は燃え落ちない建物のこと。
木造でも石膏ボード等で被覆することで火が回るのを遅らせる性能を持っていて、木造でも実現可能です。
検討している地域は防火地域・準防火地域に入る?調べ方は2通り
気に入った土地がどのエリアに入るのかを知らずに契約するのは、「試着せずに服を買う」のと同じくらいリスクが高いことです。
調べ方はとても簡単なので、あとから「3階建てが無理だった!」「窓ガラスの予算が倍になった…」と後悔しないよう、必ずチェックしましょう。
方法1|インターネットで手軽に調べる
スマホやPCで簡単に、気になる地域の詳細情報を確認できます。
- 検索ワード: 「〇〇市 都市計画図」や「〇〇区 用途地域マップ」
- 手順: 自治体が公開している地図サイトを開き、検討中の住所を検索・クリックするだけ!詳細情報に「防火地域」などの記載が出てきます。
方法2|役所の窓口で確実に確認する
ネット情報は便利ですが、最新の更新が反映されていない可能性もゼロではありません。
- 相談先: 役所の「都市計画課」や「建築指導課」
- プロが教えるポイント: 「この住所で家を建てたい」と伝えれば、担当者が正確な最新情報を教えてくれます。そのときに「ほかに特別な建築規制はありますか?」と聞いておくのが、安心のコツ!
防火地域・準防火地域で家を買う「2つの重要ポイント」
ポイント1|将来の「更地価値」を考える
中古物件を買うとき、今は木造が建っていても、現在の法律では同じものが建てられない可能性があります。
また、耐火建築物の場合は建物解体費用も割高になるので、将来の建て替えまで見据え、その土地が持つ本来のポテンシャル(法的制限)を正しく把握しておくことが、失敗しない不動産選びの鍵です。
ポイント2|準防火地域限定の「10%ボーナス」
準防火地域で一定の耐火性能(準耐火建築物など)を満たせば、建ぺい率が10%緩和される特例があります!
例えば「建ぺい率60%」の土地が70%まで使えるようになり、その分リビングを広げたり収納を増やしたりすることも。こうした優遇措置を知っておくことで、土地のポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
よくある質問
物件が防火地域と準防火地域にまたがっている場合はどうする?

原則として、より厳しい方の規制(防火地域)が敷地全体に適用されます。
ただし、建物が防火壁などで完全に区画されている場合など、例外的に緩和されるケースも。
防火地域や準防火地域だと、窓ガラスは必ず「網入り」にしないとだめ?
耐火建築物や準耐火建築物を建てる場合、「延焼の恐れがある範囲」の窓には防火性能が求められます。
従来は「網入りガラス」や「防火シャッター」の設置が一般的でしたが、最近は網目のない「透明な防火ガラス」も選べるようになりました。
防火ルールの正しい理解が家族を守り、理想の住まいづくりの近道に
防火地域・準防火地域は、一見すると建築コストを上げる「面倒な制限」に見えるかもしれません。しかし裏を返せば、それは火災から家族と財産を守るための鎧(よろい)でもあります。
家づくりは、安さや広さだけでなく「安心」を買うフェーズ。エリアごとのルールを正しく理解して、予算内で最大の安心と満足を手に入れる選択をしてくださいね!
土地や家の購入に悩んだら、すぐ相談!
「防火地域と準防火地域」について解説した不動産のプロは、この人

- 殖産ベスト株式会社
- 白石 隼典(しらいし しゅんすけ)
- 実家がリフォーム会社ということもあり、学校卒業後すぐに住宅業界に。5年間建築を学び、不動産業界に飛び込みました。培った建築のノウハウを活かし、物件の魅力だけでなく、デメリットや建物の欠陥を見抜き、お客様にお伝えしています。
殖産ベストでは主に城南エリアを担当し、不動産インフルエンサーとして動画の配信も。ぜひチャンネル登録を! - 【保有資格】
宅地建物取引士 - 【公式YouTube】殖産ベスト/shokusanbest
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