
日常から少し離れて本に触れてみよう 西荻窪「古本、手製本、ときどき古道具 Benchtime books」
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2019年3月に西荻窪にオープンした古書店「古本、手製本、ときどき古道具 Benchtime books(ベンチタイムブックス)」。時間が経つのを忘れて本の世界に没入できる、静かなお店でした。
ご近所さんの定番よりみちスポット、古道具も並ぶ古書店
「古本、手製本、ときどき古道具 Benchtime books(ベンチタイムブックス)」は西荻窪駅北口から徒歩10分ほど。西荻窪駅北口を出て、西荻北銀座を北へ向かって歩きます。
善福寺川を渡って坂を上り、セブンイレブンがある交差点を西へ歩くと、青い屋根のお店が見えてきます。
丸く張り出した青い屋根が印象的なシンプルな外観。お店の入り口には看板と小さな書棚があり、店内には1階と中2階があります。
アンティークな店内
1階は、木箱にアンティークの額縁を取り付けて本棚にしたものが掛けられていて、オシャレな雰囲気。奥の中2階は、ガラスのショーケースに並べられた年代物の装丁の美しい古書や古道具などが販売されています。
「今は主に美術、デザイン、旅や生活の本が多いです。手に取ってみたいと思うようなビジュアルも大切にしていて、お部屋に飾っていてもすてきな装丁の本もありますよ」と、店主のキヤヨシコさんが教えてくれました。
児童書のコーナーもあるので、ベビーカーを店内に運んで、ゆっくり選んでいくお母さんや、60代のご夫婦が懐かしいからと、岩波少年文庫を購入していくこともあります。
リリブックス
“リリブックス”と書かれた紙が貼られた棚がありました。猫が本を読んでいるイラストがかわいい。どういった書棚なのか、キヤさんに聞きました。
「『作家の本棚』という試みなのですが、作品の展示や本などを販売したい作家さんに貸し出しています。場所代はかかりませんが、条件として自宅の本棚などから本を持ってきてお店で販売していただくことにしています。作品だけでなく作家さん自身の蔵書を一緒に並べることで、ファンの人が作家さんの頭の中をのぞいているような感覚になればと思っています」
現在は、第56回現代詩手帖賞受賞の詩人・小縞山いうさんが “リリブックス”を展開中。猫の付箋には、小縞山さん直筆の推薦コメントが。ファンだけでなく、初めて手に取った人にも作家を身近に感じられる仕掛けになっています。
作家の愛情がこもった手製本としおりも販売
入り口付近にあるのは、手製の絵本や植物の葉で作られたしおりです。手製本やしおりは店内の作業場で作られているそうです。
「葉の標本しおり」は、落ち葉にインクを載せて転写しているので、葉脈がいきいきと映っています。季節ごとに初夏は新芽、秋はモミジやイチョウなどが店頭に並びます。実は、しおりの紙や紐にもひと手間が。紅茶染めやワックス加工で風合いを出しています。
こちらも手製本の「旅人の手記」。ストーリーはもちろん、紙や木版挿絵、装丁まですべて手作業で仕上げています。
「古い手記をイメージして作ったものです。本文の紙は紅茶染めをした後、ロウ引きをすることで独特の手触りになります。ページをめくっていると、自然と折り目やシワがつくのですが、自分がそこを読んだという歴史が刻まれるんですね。そういった風合いも楽しんでいただけたら」
まとめ
ベンチタイムブックスの名前は、パン作りの過程でパン生地を一度休ませること(ベンチタイム)に由来。生地のガス抜きをする大切な工程です。日常から離れて本を読みながらこのお店で休んでいってほしいという思いが込められています。古道具や古い家具などが置かれた落ち着いた雰囲気の店内は、お気に入りの一冊をじっくり探すのにピッタリ。気軽に立ち寄ってみて。

古本、手製本、ときどき古道具 Benchtime books(ベンチタイムブックス)
- 営業時間
- 12:00~19:00
- 定休日
- 火曜日
- HPなど
- https://www.instagram.com/benchtime_books/
- 電話
- なし
- 住所
- 東京都杉並区善福寺1-4-1 Google Mapで見る